円背姿勢・頭部前方変位姿勢とは？原因と改善のポイントを徹底解説

デスクワークやスマートフォンの使用が増えた現代では、円背姿勢（猫背）や頭部前方変位姿勢（FHP：Forward Head Posture）が非常に多く見られます。
放っておくと肩こり・腰痛・呼吸機能の低下・パフォーマンス低下につながるため、早めのケアが大切です。

この記事では、
• 姿勢が崩れるメカニズム
• 身体への影響
• ピラティスや運動での改善ポイント
をわかりやすく解説します。

1. 円背姿勢・頭部前方変位姿勢とは？
2. なぜこの姿勢が起こるのか？原因は「使いすぎ」と「使わなすぎ」
3. 姿勢が崩れると何が起きる？身体への影響
4. 改善のカギは「胸椎の伸展」と「頭頸部の再セット」
姿勢は「直す」のではなく“使い方を再学習する”ことが大切
6. まとめ
最後に

1. 円背姿勢・頭部前方変位姿勢とは？

● 円背姿勢（猫背）

胸椎（背中）が過度に丸まり、肩甲骨が外に広がり、胸が潰れたような姿勢。
骨盤後傾を伴うことが多く、背中〜腰までのアライメントに影響します。

● 頭部前方変位姿勢（FHP）

頭が身体より前に出た姿勢で、首の付け根に負担が集中します。
頭は約4〜6kgありますが、前に出るほど支持のために筋の負担が増えるのが特徴です。

円背とFHPはセットで起こりやすく、どちらか一方だけを修正しても戻りやすいのがポイントです。

2. なぜこの姿勢が起こるのか？原因は「使いすぎ」と「使わなすぎ」

（1）日常の習慣
• デスクワーク
• 長時間のスマホ操作
• 猫背で座るクセ
• 運動不足

（2）筋のアンバランス

円背・FHPは、以下のように“弱い筋”と“過緊張の筋”がはっきり分かれます。

▶ 過緊張しやすい筋
• 大胸筋・小胸筋
• 上部僧帽筋
• 肩甲挙筋
• 後頭下筋群
• 胸鎖乳突筋（SCM）

▶ 弱くなりやすい筋
• 下部僧帽筋
• 前鋸筋
• 頭頸部の深層屈筋
• 脊柱起立筋の下部
• 腹筋群（特に内腹斜筋・腹横筋）

筋のバランスが崩れることで、骨格が前方へ引っ張られ、姿勢が固まってしまいます。

3. 姿勢が崩れると何が起きる？身体への影響

■ 肩こり・首こり

頭が前に出れば出るほど、首の後ろ側の筋肉に負担が増大します。

■ 呼吸の浅さ

胸郭が下がり、横隔膜の動きが悪くなる。

■ 腰痛

骨盤後傾が起こり、腰部に余計な張力が発生。

■ 肩の可動域制限

胸椎の伸展不足により、肩関節挙上がスムーズに行えない。

■ 疲れやすい、集中力低下

呼吸パターンの乱れから自律神経にも影響します。

姿勢改善は見た目だけでなく、全身の健康に直結する重要なテーマです。

4. 改善のカギは「胸椎の伸展」と「頭頸部の再セット」

ピラティスや機能改善エクササイズでは、次の2つが特に重要です。

① 胸椎の伸展モビリティを取り戻す

円背の根本は胸椎の硬さ。
背骨の“反る力”が失われると、肩や首のポジションも崩れます。

おすすめのワーク：
• フォームローラーで胸椎伸展
• スワン（ピラティス）
• オープンブック
• キャット＆カウ（胸椎伸展を意識）

② 頭頸部の深層筋（ディープネックフレクサー）を活性化

FHP改善に絶対必要。
深層屈筋が働くことで、頭を“正しい位置に戻す力”が生まれます。

おすすめのワーク：
• サービカルノッズ（小さなうなずき）
• 壁立ちでの頭のポジション調整
• 肩甲骨の安定化とセットで行う

③ 肩甲帯の安定化（前鋸筋・下部僧帽筋）

姿勢改善の隠れた主役。
肩甲骨が安定することで、胸椎と頸椎のポジションも整いやすくなります。

④ 短縮筋のストレッチ、弱くなりやすい筋の活性化

以下の筋は固まりやすいため、ストレッチが効果的です。
• 大胸筋、小胸筋
• 上部僧帽筋
• 胸鎖乳突筋
• 後頭下筋群

以下の筋は弱くなりやすい筋、動かして「使える」状態にすることが大切です
• 下部僧帽筋
• 前鋸筋
• 頭頸部の深層屈筋
• 脊柱起立筋の下部
• 腹筋群（特に内腹斜筋・腹横筋）

姿勢は「直す」のではなく“使い方を再学習する”ことが大切

姿勢は癖ではなく、運動学習によって定着しています。
正しい姿勢を一度作れても、日常で使えていなければ戻ってしまいます。

そのために必要なのは：
• 正しいアライメントの理解
• 適切な筋の活性化
• 日常生活での使い方の修正
• 継続的な運動習慣

ピラティスはこの全てを満たすため、姿勢改善に非常に相性の良いメソッドです。

6. まとめ

円背姿勢・頭部前方偏位は、
現代人によく見られる“習慣からくる姿勢パターン”です。

✔ 胸椎の硬さ
✔ 頭頸部の深層筋の弱さ
✔ 肩甲骨周りのアンバランス
✔ 日常姿勢のクセ

これらが複合して姿勢が崩れます。

改善のポイントは、
• 胸椎伸展
• 頭頸部の深層筋の活性化
• 肩甲骨安定化
• 大胸筋などのストレッチ
• 日常姿勢の再教育

継続していくことで、見た目だけでなく呼吸や集中力、運動パフォーマンスまで向上します。

最後に

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投稿者プロフィール

田村恵美

国家資格を有するPHIピラティスのマスタートレーナー
身体機能改善とパフォーマンスアップに定評のある『PHIピラティス』をベースとしたオーダーメイドのマシンピラティス・パーソナルトレーニング指導を得意としております
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