運動が得意じゃなくても、ピラティスインストラクターに向いている理由

はじめに

「運動があまり得意じゃないんですけど、それでもピラティスインストラクターになれますか?」

これは、とてもよく聞く質問です。
そしてこの質問をする人ほど、実はとても真剣です。
• 迷惑をかけたくない
• ちゃんとした指導がしたい
• 中途半端な気持ちでは始めたくない

そんな想いがあるからこそ、不安になる。

この記事では、
「運動が得意じゃない」という不安を持っているあなたに向けて、
なぜそれが“弱みではなく、強みになり得るのか”をお話しします。

1. 「動ける人=良い指導者」という誤解

ピラティスの世界に入ろうとすると、
柔軟で、きれいに動けて、エクササイズを完璧にこなす人が目に入ります。

すると、つい比べてしまいます。

「私には、あんなふうにできない…」

でも実は、
自分ができることと、相手に伝えられることは別物です。

動ける人は、
「なぜできているのか」を言葉にするのが難しいこともあります。

一方で、
できなかった経験がある人は、
• どこでつまずくか
• 何が分からないか
• どう言われると混乱するか

を、身体感覚として知っています。

これは、指導者として大きな財産です。

2. 自分ができない経験は、クライアント理解につながる

ピラティススタジオに来る多くの人は、
• 身体が硬い
• 運動が苦手
• うまく動けない
• 自信がない

そんな状態で来られます。

だからこそ、
「できない気持ちが分かる」インストラクターは、とても安心感があります。
• なぜ力が入らないのか
• なぜ緊張してしまうのか
• なぜ言われた通りに動けないのか

それを「努力不足」と決めつけず、
「そう感じるのは自然ですよ」と受け止められる。

この姿勢は、テクニック以上に信頼を生みます。

3. 大切なのは再現力ではなく、観察力

インストラクターに必要なのは、
自分がどれだけ美しく動けるかではありません。

それよりも大切なのは、
• どこが動いていないのか
• どこが頑張りすぎているのか
• 動きの中で何が起きているのか

を見続ける力です。

運動が得意じゃない人ほど、
「なんとなく」では動けません。

だからこそ、
身体の感覚や違和感に敏感になりやすい。

この“違和感に気づける力”は、
指導の質を大きく左右します。

4. 指導は「見せる」より「伝える」仕事

「上手に見本を見せられないから不安」

そう感じる人も多いですが、
ピラティスの指導は、必ずしもデモンストレーションが主役ではありません。

むしろ、
• どんな言葉なら伝わるか
• どこに意識を向けてもらうか
• どう声をかけると気づきが起きるか

こうした言語化の力がとても重要です。

運動が得意じゃない人は、
「どう言われたら分かりやすかったか」を覚えています。

それは、あとから身につけるのが難しい、貴重な感覚です。

5. 不安を感じられる人ほど、指導者として伸びる

「ちゃんとできているかな」
「これで合っているかな」

そうやって立ち止まれる人は、
自分の指導を雑に扱いません。

不安は、弱さではなく
責任感の裏返しです。

ピラティスインストラクターとして大切なのは、
完璧さよりも、誠実さ。
• 目の前の人の身体を大切にする
• 分からないことを分からないと言える
• 学び続ける姿勢を持つ

運動が得意じゃないからこそ、
これらを自然に大切にできる人もいます。

おわりに

もしあなたが、

「運動が得意じゃないから無理かも」

そう思っているなら、
それだけで諦めてしまうのは、とてももったいないです。

ピラティスインストラクターに必要なのは、
才能よりも、身体と人に向き合う姿勢。

できなかった経験も、
遠回りした時間も、
すべてが指導に活きていきます。

このブログでは、
そんな不安を抱えながら進んでいる人に向けて、
これからも言葉を届けていきます。

また、ここでお会いできたら嬉しいです😊

投稿者プロフィール

田村 恵美
田村 恵美
国家資格を有するPHIピラティスのマスタートレーナー
身体機能改善とパフォーマンスアップに定評のある『PHIピラティス』をベースとしたオーダーメイドのマシンピラティス・パーソナルトレーニング指導を得意としております
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