肩まわりの不調や動きのクセを改善したいとき、最初に押さえておきたいのが「肩(肩関節)」と「肩甲帯」の関係です。
この2つを分けて捉えるだけで、動きの見方やエクササイズの選び方がガラッと変わります。
肩は“4つの関節のチーム”で動いている
一般的に「肩」と言うと上腕骨と肩甲骨の関節(肩関節=GH関節)をイメージしますが、実際には次の4つが連携して動いています。
1. 肩甲上腕関節(GH関節)
2. 肩鎖関節(AC関節)
3. 胸鎖関節(SC関節)
4. 肩甲胸郭関節(ST関節)※“関節”ではないが重要
この4つが滑らかに協調することで、腕を挙げたり伸ばしたり、回したりする動きが可能になります。
どれかが固い、または動きすぎると他の部分が代償し、痛みやパフォーマンス低下につながります。
肩甲帯の主役は「肩甲骨のポジション」
肩甲帯とは、肩甲骨・鎖骨・胸骨からなる上肢の土台。
特に大切なのは「肩甲骨がどこにあるか」です。
肩甲骨の理想的な位置は…
• 軽く外旋
• わずかに上方回旋
• 下制も挙上もしすぎず中間位
• 胸郭にふわっと“浮いている”位置
“安定=固定”ではなく、“動ける位置にあること”が肩甲帯の安定です。
肩のトラブルが起きやすい理由
肩関節は可動域が広い一方、構造的には不安定。
そのため次のような問題が起こりやすくなります。
1.肩甲骨が動かない → 肩関節が動きすぎる
→ インピンジメント、上腕二頭筋長頭腱の痛みなどにつながる
2.胸椎の伸展不足 → 挙上時の代償
→ 肩甲骨が上方回旋できず、首に力が入りやすい
3.呼吸が浅い → 肋骨の動き制限
→ 肩甲骨の滑りが悪くなり、腕の挙上がギクシャクする
肩だけを見ても解決しない理由がここにあります。
正しく動く肩をつくる3つのポイント
① 肩甲骨の“上方回旋”を取り戻す
手を挙げる時に必要な最も重要な動き。
上方回旋に関わるのは…
• 下部僧帽筋
• 上部僧帽筋
• 前鋸筋
この3つのバランスが崩れやすいため、
前鋸筋が働く環境づくりが特に大切です。
② 胸椎を動かす(伸展・回旋)
胸が丸いままだと、肩甲骨は正しい軌道を描けません。
③ 肋骨の柔らかさを保つ呼吸
肩甲骨は肋骨の上で動きます。
肋骨がガチガチだと肩も固くなるのは当然。
• 側方呼吸
• 胸郭の360°呼吸
• 吐くことで肋骨を柔らかくする
呼吸の質が上がると、肩は自然と動かしやすくなります。
よくある「肩の勘違い」
❌ 肩を下げれば安定する
→ 下げすぎると肩の上方回旋ができず、挙上が重くなる
❌ 前鋸筋=“肩甲骨を前に出す筋肉”
→ 本当は「肩甲骨を胸郭に吸い付け、上方回旋を助ける筋肉」
❌ 肩甲骨を寄せる=正しい姿勢
→ 固めた姿勢になり、動作中の適応力が失われる
姿勢は“見た目の形”ではなく、動きのパターンが決めます。
実際のレッスンやセルフケアで使えるヒント
1. 腕を挙げる前に肩甲骨を準備する
→ 小さく上方回旋しておくと動きが軽くなる
2. 胸骨の角度を変えるだけで肩の挙上が変わる
3. 呼吸で肋骨が広がる方向を感じると、肩の力みが減る
4. 固めて安定ではなく、動けるポジションに導く
肩は「整えて→動かして→連動させる」が基本です。
まとめ
肩・肩甲帯は“複雑だけれど、理解すると劇的に変わる”場所。
ポイントは:
• 肩は4つの関節が作るチーム
• 肩甲骨は“固定ではなく、滑らかに動く安定”が大事
• 胸椎と肋骨の動きが肩の自由度を決める
• 正しい上方回旋が痛みやクセを減らすカギ
肩の評価やエクササイズ選びも、この理解があるだけで一段上のレベルになります。
最後に
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投稿者プロフィール

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国家資格を有するPHIピラティスのマスタートレーナー
身体機能改善とパフォーマンスアップに定評のある『PHIピラティス』をベースとしたオーダーメイドのマシンピラティス・パーソナルトレーニング指導を得意としております
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